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本物の雪を運んで開催した雪まつり

街に開いたコミュニティスペース作りへの思い

JR高架下にある「カフェゼノン&ゼノンサカバ」を運営する(株)じぞう屋(以下、じぞう屋)が2022年3月12日(土)・13日(日)、店舗横の駐車場で「吉祥寺雪まつり」を開催しました。街なかに現れた雪や雪だるまに子どもたちは大喜び、大盛況の2日間となりました。

「カフェゼノン&ゼノンサカバ」の前身である「カフェゼノン」は、じぞう屋の母体で同じく武蔵野市にある漫画出版社「コアミックス」が、2009年に漫画の可能性を広げ創造したいと「空間の漫画雑誌」をコンセプトにオープンしました。そこには店舗という空間を通じて地域コミュニティに寄与したいという思いもあり、開業からさまざまなイベント・展示を企画してきたといいます。

じぞう屋が今回無料で開催した「吉祥寺雪まつり」も地域との関わりを大事にし、街を盛り上げたいと考えた企画でした。同社執行役員の石橋ケンタロウさんにお話を伺いました。

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吉祥寺雪まつり 会場風景

−初めて手がけられた「吉祥寺雪まつり」、反響はいかがでしたか?

 

企画から開催まで準備する時間が短く、開催日の10日程前から「吉祥寺雪まつり」と書かれた看板を店の前に置く、地元のWEBメディアさんにご協力をお願いしてSNSで拡散するなどしか告知できなかったのですが、思った以上に反響がありました。通りがかりに看板を見て立ち止まる人がとても多く、「友達に知らせてみんなで来ます」と話してくれる近所の方がたくさんいらしたのも印象的でした。当日は一度に最大20家族という入場制限を設けて30分ごとの入れ替え制としたのですが、朝からどの時間帯もほぼ満員でした。

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吉祥寺雪まつり 会場への雪の搬入の様子

−吉祥寺の街なかに本物の雪を運んできて遊べるというのは斬新でした。

 

雪を運ぶ事業者さんとご縁があったこともあり、新潟から4tトラック4台で運んできました。皆さん「人工雪なの?」「どこから持ってきたの?」と興味津々でした。本当はソリ滑りコーナーだけでなく、かまくらを作ったり雪当てゲームをしたりいろいろやりたかったのですが、スペースの制約があってできないこともありました。それでも皆さん工夫して遊んでくれ、私たちスタッフも久しぶりに子どもたちの笑顔を見ることができて本当にやって良かったと思いました。

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吉祥寺雪まつり 会場への雪の搬入の様子

−店舗が地域のコミュニティの場になればという想いは、開店時からあったと伺いました。

2011年にカフェゼノンを含む複数の飲食店やテナント管理をするため、じぞう屋が設立されて自社ビルを建てることになったのですが、その時、ただオフィスを入れるビルを作るのではなく、吉祥寺の街を盛り上げていくきっかけを作れるビルにしたいと考えました。大きいビルではありませんがテナントが複数入ることで人が行き交い、小さいスペースだからこそアーリーステージ(起業直後の時期)にいる若い人たちがチャレンジして巣立っていくような場所が作りたいと思っていました。さらに“何かビルのシンボルになるものを”と社長が考えたのが縁結びのお地蔵さまでした。近くにある井の頭公園池のボートにカップルで乗ったら別れるという噂話があったことから「縁結びの場所にしよう」などいくつか理由はありましたが、それが会社の名前やビルの名前となりました。

「鈴虫寺」の名前で親しまれている華厳寺とご縁があり、お地蔵さまを作りたいと開眼供養の相談をしたところ「簡単には作れません。建立するにはそれなりに覚悟が必要ですが、その覚悟はありますか?」と言われ、社員一同身の引き締まる思いでした。そして「地蔵は、もし会社がなくなってしまったとしても存在し続けるものです。より多くの人たちでめんどうを見られるよう、地域の方々に参加していただけるように努めなさい」とお話いただいたのです。

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​吉祥寺雪まつり 会場周辺の様子 

−皆さんの思いとシンクロするようなお話ですね。

 

はい。それで街の方にお声がけし「吉祥寺御地蔵建立委員会」を作りました。関西や近畿地方では街のいたるところにお地蔵さまがあって、子どもの守り神としても親しまれています。夏には供養のために「地蔵盆」といって、提灯を飾ったり縁日があったり町内のお祭りのような行事も行われます。鈴虫寺さんから“東京ではあまり見かけないこのお祭りを吉祥寺でやってみたらどうか”と提案いただいたこともあって、地域とのつながりづくりのためにも、毎年一回供養を込めてじぞうビルで始めたのが「地蔵盆」というイベントでした。

 

−「吉祥寺雪まつり」も地域の方々が集うイベントになりました。

 

「地蔵盆」には毎年たくさんの子どもたちが集まってくれて、どんどん大きくなっていく彼らの成長を見守るような良いイベントに育っていると感じています。それがここ2年コロナ禍で中止になり、何かできないかと考えて企画したのが今回の雪まつりでした。本当に全てが手探りでしたが、都心に出かけていった時に偶然出会うようなイベントではなくて、自分たちの生活圏内でやっているイベントだからこそ、地域にとって特別感もあったのかもしれません。近所のおじいちゃんおばあちゃんに「コロナ禍の窮屈な状況の中で子どもたちのために無料でやるのは大変良いことですね」とお褒めの言葉を本当に多くいただきました(笑)。

 

−これからの展望をお聞かせください。

 

「吉祥寺雪まつり」はお陰さまで好評だったので、街のあちこちに会場があったり吉祥寺の冬の風物詩のようなお祭りになったりしたらと夢が膨らみます。

「地蔵盆」も初めはまず自分たちで全部やってみて、それから街の皆さんに声をかけ地域の方に手伝っていただくようになりました。一企業でできることは限られているので、自分たちだけで完結するのではなく、街や地域の皆さんとつながり合いながら、より地域を盛り上げていけるようなイベントをこれからも続けていけたらと思います。

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​吉祥寺雪まつり 運営スタッフ集合写真

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PLOFILE:

株式会社じぞう屋 執行役員

会長コーポレート管理部長 施設ビジネス事業部長兼務
石橋 ケンタロウ さん