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「吉祥寺図書館」について

公益財団法人武蔵野生涯学習振興事業団 「吉祥寺図書館」館長 木谷真貴さん

1987(昭和62)年、エリアの環境改善を目指し、また地域の要望を受けて開館した武蔵野市立図書館の一館。設計を手掛けたのは図書館建築の第一人者で、武蔵野市民でもあった鬼頭梓氏、同館建設前からこの地にある大きなケヤキの木と光を生かした空間になっている。2018(平成30)年にリニューアルし、自動貸出機・返却機、予約取り置きコーナーを新設するなどオートメーション化した。

1階は新聞・雑誌のほか、展示、予約資料コーナー、2階はティーンズ向け図書、児童書、絵本、多目的室、地下1階は一般図書で構成し、蔵書数は約10万冊(令和2年度現在)。商業地である吉祥寺の駅近くに立地し、市民のほか来街者も多く利用する。市立図書館としてはほかに、中心館としての役割を担う「中央図書館」(北町)、武蔵境駅駅前に立つ「武蔵野プレイス」(境南町)がある。

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イーストサイドの特徴にもなっている二つの施設「吉祥寺図書館」と「吉祥寺シアター」にお話を伺いました。

イーストサイドにおいて「吉祥寺図書館」はどのような役割を担われていますか?

「吉祥寺図書館」は全国的にも知られた商業地の中にあり、市立の図書館でありながら、吉祥寺という「『まち』の図書館」として捉えられるのではないかと思っています。リニューアル時のコンセプトに「小さなオアシス吉祥寺図書館〜気軽に楽しく知的な出会いを〜」と掲げたように、市民の方だけでなく、吉祥寺に遊びに来られる方、お仕事に来られる方、観光客の方々にも気軽に吉祥寺に関する情報を得ていただけるような、まちの魅力を発信する場としても、ご利用いただける場所になれればと思います。

その一環として一階には、「きちとしょトピック」というコーナーを設け、吉祥寺にまつわる本や資料の展示、近隣にある「吉祥寺シアター」「吉祥寺美術館」のポスター掲示などをしています。ほかの2つの市立図書館に比べると建物の広さも蔵書数もコンパクトですが、こうした施設に関連した演劇や美術ジャンルの蔵書を充実させるなど、何かこのエリアならではの特色も出していけたらと思っています。

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  「まち」とどのように関わられていますか?

例えば吉祥寺のまちとアニメ作家、アニメ制作スタジオが毎年一緒に行っている「吉祥寺アニメワンダーランド」開催時には、前年度の受賞作品を図書館で上映したりアニメ関連の図書を展示したりしています。今年はよりたくさんの方に目にしていただけたらと、2階の多目的室ではなく「きちとしょトピック」にデジタルサイネージを設置し上映しました。

「吉祥寺シアター」で公演した劇団の方が図書館に来て、子どもたちのすぐ前で小さなお芝居を披露してくださったり、「吉祥寺美術館」とコラボして子どもたちの作品の巡回展示などを行ったりもしています。まちが手掛けるイベント時に、スタンプラリーの拠点の一つとして使っていただいたり、図書館で実施するイベントのポスターを市内の学校に貼っていただき、当館でも文化祭といった学校のお知らせなどを掲示したりするなどの交流もあります。

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  「吉祥寺図書館」として、これからの思いを聞かせてください。

「吉祥寺図書館」も開館して30年が経ちましたので、図書館設立のいきさつや、きっかけとなった環境浄化運動のことなど、当時をリアルにご存知の方のお話を、今このタイミングで図書館としてきちんとまとめていく必要があるのではないかと思っています。文章だけでなく、昨今の流れに合わせて動画なども含めて記録することで、「吉祥寺図書館」がどういう存在であるのか、一つお示しできるようなものになればいいなとイメージしています。

図書館にはたくさん資料がありますし、実際手に取って見てみるとまちへの興味も具体的に湧いておもしろいのではないかと思います。情報収集の範囲が図書館から徐々にイーストエリア、吉祥寺全体と広がって、例えば市民の方と一緒にまちの情報や歴史を記録していけるような活動につながればうれしいです。

市内には「武蔵野ふるさと歴史館」があり、「中央図書館」には郷土行政資料などもありますが、身近な「まちの図書館」として「ここに来たら何かまちのことがわかる」、そんなふうに吉祥寺の歴史や小さなエピソードを拾い集めて提供するというのは「吉祥寺図書館」の一つの役目のように思います。地域の情報にアクセスしやすい場所として、まちのことを知ったり、未来のことを考えたりする時に皆さんで使っていただけるような場所になれたら。魅力ある吉祥寺のように、図書館も「まちの魅力の一つになりたい」と願っています。

(取材日 2021年1月20日)