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アフリカ大陸

 

 

営業時間:17:00-22:00(ラストオーダー21:00)

定休日:月曜日、木曜日、金曜日

住所:武蔵野市吉祥寺南町2-13-4

   オフィス・ワン地下103

SNS: https://www.facebook.com/africayashizake?fref=nf&ref=embed_page

    https://www.instagram.com/africatairiku1998

      https://twitter.com/africayashizake

吉祥寺の東側エリアの魅力を多面的に伝える「吉祥寺かるた いくぜ!イースト」

その「ひ」の読み札に、こんな言葉が書かれています。

 

"100メートル圏内で世界旅行"

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タイにスペイン、ブラジル、アフリカなど、このエリアに集結する多国籍な飲食店の紹介と合わせて「徒歩で世界を周ろう」と解説が続きます。そう、吉祥寺のイーストサイドには都内でも比較的めずらしいアフリカ料理店「アフリカ大陸」があるのです。オープンした1998年当時はなおのことでした。店主のミホ・ファンタさんは「ほんとにこういうお店がない中オープンしたこともあって、初めはNGOや外務省、海外協力隊の人が見つけて来てくれました」と話します。

 

吉祥寺駅から末広通りを歩くこと約6分、階段を降りた地下の奥にある「アフリカ大陸」。扉を開けると、異国の香りとともにアフリカンミュージックに満ちた空間が出現します。アフリカとの縁は子どもの頃からとのことで「セネガルにホームステイ先があったので、小さい時にも行ったことがあるけれど、大人になってからは面白くって何度も訪れました。何が楽しかったって、夜のディスコ!セネガルやナイジェリアのヒップホップがいいの」とミホさん。

「曲はアメリカやヨーロッパの影響を受けたヒップホップなんだけど、一つ違うのは『サバール』というセネガルの太鼓のリズムが必ずバックに入るんですよ。ダララッ、ダララッって。人気の2PAC(アメリカのヒップホップアーティスト)の曲がかかっても誰も踊らないのに、ダララッって音の入った曲がかかると、みんなわぁっと踊り始めるの」

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当時サラリーマンだったそんなミホさんが、お店を開くことになったきっかけを伺うと「セネガルで好きな人ができてね。現地の女性たちが『それなら胃袋をつかみなさい、料理を教えるから!』って教えてくれて。彼は敬虔(けいけん)なイスラム教徒の家庭だったから、結局外国人との結婚は認めてもらえなかったのだけど。でもセネガル料理はおいしいから日本でも時々作ったりしていたの」と振り返ります。

 

その後、会社で始まったリストラに手を挙げると、「屋台を引こうかなとか、昔からアイディアはなんとなくいろいろ考えていました。ある時歩いていたら、ぽっとここに小さなお店が空いているのを見つけて、外から覗くだけで、中も見ずに『ここ借ります』って決めたんです。吉祥寺という場所はもうホームだったんですよ。高校生の頃から遊ぶのは吉祥寺だったから、ほかは全然考えられない感じ。吉祥寺だけだよね、って思って」とミホさん。

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メニューには習った現地の味が並んでいます。「セネガルは大西洋に面しているから、日本と同じように鯛やニシン、イワシなどがたくさん獲れるんです。『チェブジェン』という魚の炊き込みごはんのような料理もあって、作るのは難しいけれど、野菜もたくさん入っていてとてもおいしいんです。フランス料理の影響なのか、鯛に穴をあけて香草を詰めて作ります。かつてフランス人がお米を持ち込んだ時、砕けたお米をもらったセネガルの人たちがそれを炊き込みご飯にしたところ味が染みておいしいと、未だに砕け米を使って作るようです。私は頼んで現地から持ってきてもらっているのだけど、砕け米でチェブジェンを出すお店は他にないんじゃないかな」

 

ヤギの肉で作るナイジェリアの「ペペスープ」も人気のメニュー。「ペペ」は唐辛子のことで、ミホさんいわく「ナイジェリアで食べたら、もう柱を抱えていないと倒れる!って思うくらい、すごく辛かったの(笑)。うちもけっこう辛くしているけれど、それでもナイジェリアの人には辛くないって言われるの」というスープ。出汁のベースは干したクレイフィッシュ(ザリガニ)などで、あまりスパイスを多用しないナイジェリア料理にあって、ペペスープだけは何種類ものスパイスを使うといいます。

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今ではアフリカ料理店として日本で二番目に長い歴史を持つこのお店。「駅から距離があるので心配されながらの開店だったけれど、今ではそれが本当に良かったと思って。というのもここに来たいという人が探して来てくれる。お客さんに恵まれて、支えられて続けてくることができました。アフリカの人がやっているわけではないし、いい加減でごめんなさいね!って思うけれど、ブラックミュージックに溢れているから、やっぱり好きな人は落ち着くんじゃないかな?もし自分がお客さんだったら、絶対ここの常連になるもの」と明るく笑うミホさん。

 

居心地の良い空間を作っている音楽への愛、それは吉祥寺の街を語るエピソードの随所にも散りばめられていました。「吉祥寺には魅力的な個人店があったわね。やっぱりなんていったって「ファンキー」(1960年開店のジャズ喫茶)よ。レコードを聴かせる「be bop」や「ぐゎらん堂」にもよく行ったし、五日市街道沿いの闇太郎の隣にあった「なまず屋」というブルースのお店には毎日のように行っていました。ライブハウスの「oz」、「赤毛とそばかす」、昔からあるクラシックのお店や「Meg」のように代替わりして続いているところもあって、吉祥寺は本当に音楽でできているみたいな感じで、誇らしかったのよ」

 

そうしたお店と同じように、個性的で、どこか吉祥寺らしさを感じる「アフリカ大陸」ですが、実はあと2年で閉じる予定だといいます。「体力があるうちにそれこそアフリカに遊びにいきたいし、またライブハウスにも行こうかな。日本で推しのブルース奏者見つけたいわね。そうしたらNYとかいかなくたっていいわけでしょ(笑)。お店を閉じるまでに後継者を見つけたいわね。ブラックミュージックがすごく好きだからっていう人が継いでくれたら最高だと思うんだけど」

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