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もも焼き もも吉

 

 

営業時間:昼の部11:30〜14:00(土日休み)

     夜の部17:30〜23:30(ラストオーダー23:00/年中無休)

定休日 :無休(年末年始休み有)

住所  :東京都武蔵野市吉祥寺本町1-34-3(駅北口徒歩5分)

URL:

https://momokichi-kichijoji.com/

https://www.instagram.com/momokichi.gf/

https://tabelog.com/tokyo/A1320/A132001/13052427/

「吉祥寺シアター」のすぐ近くにある「もも吉」は、焼きたて熱々の「骨付き鶏もも焼き」が名物の飲食店です。オープンのきっかけとなったのは、お店を手がける岡村良太さんが、香川県のあるお店で出会った骨付き鳥でした。

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現在「もも吉」を含め、3店舗を運営するグッドファット代表の岡村さんが、最初の飲食店をオープンしたのも吉祥寺でした。街との関わりは、中学校時代にさかのぼります。「親の仕事で、4歳から12歳まで海外に住んでいました。日本に戻ってきて住んだのが久我山で、ご縁があって入学した成蹊中学校から、大学まで10年間自転車で通っていました。4歳までの記憶はなかったので、帰って来る前は、東京はなんていうか『都会』のイメージがありました。でも井の頭公園や神田川沿いを通学していると、緑が多くて、そのような場所に住めてよかったと思いました」

 

飲食業を仕事にしようと考えたきっかけを伺うと、「食べたり飲んだりするのが好きで、いろいろなお店に行っていましたが、一番のきっかけは大学生の時に通っていた、西荻窪にあった小さな居酒屋です。すごくアットホームでごはんがおいしいし、働いている店員さんも優しくて、輝いて見えました。いつかこういうお店ができたらと思って」と岡村さん。就職活動のタイミングで、「いつかでなく今」チャレンジしようと決め、飲食店に就職。その後、きっかけとなった西荻窪の飲食店を経営する会社に転職したといいます。「メニューや仕入れ、教育など、いろいろチャレンジさせてもらえる環境があったからこそ、成長もできたし、今の自分がいると思っています」

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「もも吉」オープンの3年前、2004年に独立して1店舗目を開業。それまで勤務していたお店が表参道や渋谷、西麻布にあったこともあって、出店先はもう少し都心に近いところをイメージされていたそうです。「吉祥寺も候補の一つでした。吉祥寺で物件を探すならリベストさんがいいよと聞いて、何度か連絡しました。実際、別の場所で申し込みを考えた物件があったのですが、最後にリベストさんに行ってみたところ、その翌日に連絡があって。駅からちょっと離れた、少し薄暗くなったところに赤提灯が見えるというロケーションが、もう理想にどんぴしゃでした」と振り返ります。

「家賃が安いというのは大きなメリットの1つです。でもSNSなどない時代だったので、喜んでもらいたいとみんなで必死に考えて表現したことが、お客さんに伝わっていると、駅から離れた場所にいると特に実感できるんですよね」

 

「独立してからも、ちょっとうれしい、あまりほかの店ではないようなこと、そんな小さな引き出しをたくさん用意して、喜んでもらえるよう心がけていました。本当に小さいことなんですけれど、生ビールの泡をめちゃくちゃクリーミーな状態にして、吉祥寺で一番おいしいと思ってもらえる生ビールをいつも出す店にする、とか。締めには、父に教わった手打ちうどんを出したりもしていました」

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この“手打ちうどん”が、「もも吉」オープンにつながります。「あちこち出かけて行っては、気になるお店を何店舗もまわって、勉強になることを持って帰ってくるようにしていました。締めに出していたうどんは、讃岐うどんのスタイルだったので香川にも行っていたのですが、そこで骨付き鳥に出会いました。これがもう衝撃的においしくて、香川に行くと帰る前に必ず食べに行きました」と岡村さん。

 

新店舗に向け、味付けはすぐに決まったものの、苦労は意外なところにあったといいます。それは……。「当時は店の入口側を立ち飲みスペースにしていました。立ち飲みで女子がもも焼きにかぶりついて、ビールを飲んでいる。女子が女子を呼び、女子が男子を呼び、そういうお店ができたら最強だな、という思いで始めたんです。でも始めてみて、もも焼きにかぶりついてもらうことがこんなに大変なんだと、わかりました。

カットすることはそれほど問題ないのですが、肉汁が出てしまうし、熱々をハフハフいいながら食べた時の強烈な印象みたいのは、まったく変わってしまいます。いかにかぶりついてもらえるかというのに、3年くらいかかりました」

 

本場香川の、お店によっては200席すべてが満席になるような大型の老舗で、それこそ子どもからおじいさんおばあさんまで、誰もが骨付き鳥にかぶりつき、あふれる肉汁におむすびをつけて食べている光景を目にしてきた岡村さん。「もう文化として根付いているんですよね。それで、まずはスタッフにそのおいしさを知ってもらうために、実際にお店へ連れていったり、そのスタッフが根気よく、でもあまり押し付けすぎないようにお客様に伝えていきました。結果、そんな思いが伝わったお客様が友人を連れてきた時に、「これはね、かぶりつくのがおいしんだよ」と伝えてくれるようになって。そこからは早かったですね」

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「もも吉」がオープンして17年。街の変化を感じつつ「長く続けていることで、昔連れて来てもらっていたというお子さんが、大人になって飲みにきてくれたり、地域でお仕事されている方が『お昼が美味しかったから』と夜来てくれたり、いいつながりができていると感じます」と話す岡村さん。

吉祥寺の街のこれから、ご自身がチャレンジしたいことも伺ってみました。「シモキタのカレーフェスのような、街が一体となった飲食のイベントができたらおもしろそうですね。やりたいこととしては、海外への出店です。7〜8年前、初めてベトナムに行った時、本能的にここで店をやりたいと思ってから、行けば行くほどチャレンジしたいという思いが強くなっています」

 

「まずは足元を固めるということが大事ですが、いろいろ選択肢がある中で、うちを選んで来てもらった時に、おいしいとかサービスがいいだけではなくて、なにか心の奥の部分で『ここにきてよかった』と思ってもらえるものを、表現したいと思っています。それは一人ではできないので、スタッフと共有しながら、どうやったらそう感じてもらえるのかを考えながら、これからも続けていきたいと思います」

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